「静かに、そっと描く自分」
言葉や文章で想いを伝えるのは、どうしてこんなにも苦手なのだろう。頭の中にある気持ちや、誰かに届けたい感情を、うまく言葉という形にできなくて、いつももどかしさを抱えてしまう。
だから私は、絵を描き始める。
大きな声を上げるわけでもなく、派手に目立とうとするわけでもなく。ただ静かに机に向かい、線を引き、色を置いていく。言葉にできない何かをそのままカンバスに映し出すことは、私にとって大切な表現の実験であり、自分自身を整える時間だ。
日常の中でふと目に留まったもの、心に残った小さなモチーフたちを、淡く、丁寧に描いていく。
「描き進めなきゃいけない絵があるのに、日中は別の作業をしていて、いざ描こうと思っても疲れ果ててなかなか進まない」――そんな日もある。絵を描くことは、いつも楽しいことばかりじゃない。むしろ、思い通りにいかなくて立ち止まることのほうが多いかもしれない。
それでも、描き続ける。
シンプルに生きたい。内向的で、人見知りで、休日は家にこもりがちだけど、それでも自分のペースで表現を続けたい。大きな目標を掲げて走り続けることはできなくても、静かに、ぽつらぽつらと、手のひらの上のキャンバスに心を重ねていく。
うまく話せなくてもいい。言葉の代わりに、この静かな絵たちが、私の代わりに呼吸をしてくれたらいい。

